- <学長コラム>日々に自らを新しく
- (最終更新日:2025/11/04)
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2025年11月4日
先駆的な取り組みを支える地域貢献の形
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10月から、本学でも入学者選抜試験が始まりました。これから大学・短大は半年間の入試シーズンに入ります。私たち教職員も、厳正かつ公平な入試を行うために緊張感を持って臨んでいます。一方、キャンパス内では11月8日(土)に開催する「 作新祭」に向けて学生たちが遅い時間まで熱心に準備を進めています。毎年恒例となった学長ライブに向けて、私も帰宅後にギターの練習を少しずつ始めています。今年も、学生の皆さんと一緒に楽しく充実した「作新祭」を楽しみたいと思います。
さて、10月12日(火)に、作新学院大学は喜連川社会復帰促進センターと相互連携協定を結びました。今年度は、出所の準備を進める段階に入った受刑者を対象に、社会で働く上で必要となるコミュニケーション能力や課題解決能力の向上を図る作業への協力プログラム(再犯防止事業)に取り組むことになりました。このプログラムには、大学院心理学研究科、心理コミュニケーション学科の所属で犯罪心理学を専門とする教員が企画段階から参加して進めています。
喜連川社会復帰促進センターと協定を締結するに至った背景には、本年(令和7年)6月の刑法の一部改正に伴い「懲役刑」と言われていた刑罰が「拘禁刑」として施行されるようになったという事情がありました。従来の「懲役刑」には、受刑者に犯した罪の報いを受けさせるという「懲罰」の意味合いが強く含まれていたのですが、改正後の「拘禁刑」では、受刑者の社会復帰を目指すという「更生」の考え方が基盤となっています。このように受刑者の社会復帰や就業を積極的に支援するという考え方は、デンマークやオランダ、ノルウェーといったヨーロッパの国で長く実践されており、日本でもその重要性が高まっています。
一方わが国における喜連川社会復帰促進センターの取り組みは、全国の刑務所の中でも先駆的なものだと言えます。協定締結式の後に同センター内を見学させていただきましたが、一般にイメージされる刑務所とは大きく異なり、明るく清潔で安全な環境と正しい規律の中で、受刑者の更生支援が行われていました。
今回の協定に基づく受刑者のコミュニケーション能力や課題解決能力の向上を図る社会復帰支援プログラムは、作新学院大学が心理学の高い専門性を有しているからこそ実現したものです。喜連川社会復帰促進センターが、その先駆的な取り組みのパートナーとして本学を選んでいただいたことを、大変うれしく感じています。
11月5日(水)には、中国の上海大学(経済学院)との学術交流に関する覚書の締結式を行います。本学は、栃木県唯一となる経営学の博士号が取得できる大学院を有しています。この覚書の締結を通して、上海大学(経営学院)との学術的な交流を推進し、中国との友好親善にも寄与できることを期待しています。
令和7年11月1日
作新学院大学・作新学院女子短期大学部
学長 渡邊 弘
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