人間文化学部

山尾 貴則

山尾 貴則
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教員氏名 山尾 貴則
教員ふりがな やまお たかのり
職階 教授
学位 博士<文学>
担当授業名称 社会学概論、社会的自我論、地域情報論
担当ゼミ名称 基礎ゼミナール1、専門演習(社会学分野)、卒論指導演習
専攻・専門分野 社会学
所属学会 日本社会学会
東北社会学会
東北社会学研究会
日本生活指導学会
研究室電話番号 028-670-3679
E-mail(大学) yamao@sakushin-u.ac.jp
E-mail(個人) yamao@sakushin-u.ac.jp

略歴・業績

1.経歴

1971(昭和46)年 宮城県生まれ

1989(平成1)年3月9日 宮城県仙台第一高等学校卒業

1990(平成2)年4月1日 東北大学文学部 入学

1994(平成6)年3月25日 東北大学文学部社会学科社会学専攻 卒業

1994(平成6)年4月1日 東北大学大学院文学研究科社会学専攻博士前期課程 入学

1996(平成8)年3月26日 東北大学大学院文学研究科社会学専攻博士前期課程 修了

1996(平成8)年4月1日 東北大学大学院文学研究科社会学専攻博士後期課程 進学

2001(平成13)年9月30日 東北大学大学院文学研究科社会学専攻博士後期課程 単位取得退学

2002(平成14)年4月1日 作新学院大学人間文化学部着任(専任講師)

2005(平成17)年1月13日 東北大学から博士(文学)の学位を取得

2006(平成18)年4月1日 作新学院大学人間文化学部助教授

2007(平成19)年4月1日 同准教授

2014(平成26)年4月1日 同教授

2.職歴

1999 (平成11)年4月1日 尚絅女学院短期大学講師(社会学)(2002年3月まで)

2001(平成13)年10月1日 東北大学大学院文学研究科助手(2002年3月まで)

2006(平成18)年4月1日 栃木県厚生連塩谷看護専門学校看護学科講師(人間関係論、情報学・統計学)(2010年3月まで)

2009(平成21)年4月1日 立正大学文学部講師(理論社会学、相互作用の社会学)(2010年3月まで)

2014(平成26)年4月1日 東北学院大学経済学部講師(メディア・リテラシー)(現在に至る)

 

3.所属学会

日本社会学会
東北社会学会
東北社会学研究会
日本生活指導学会

4.取得資格等

2010年(平成22年) SSTリーダー養成初級クラス修了(SST普及協会主催、

2010年6月12日~13日、計10時間)

2016(平成28)年 一般社団法人 社会調査協会 専門社会調査士(第002298号)

 

5.研究業績

 

5.1 著書・論文(2010年以降)

山尾貴則, 2019, 「G.H. ミード社会理論における社会問題把握―倫理と科学、社会実践活動に関する議論を手がかりに―」, 『作大論集』9.

山尾貴則, 2017, 「SNSにおける見えない炎上への対応―形式的な自由の限界を超えて―」, 『作大論集』7, 299-314.

山尾貴則, 2016, 「若者自立支援活動における「承認」の位置―A.ホネットの承認論とA.センの潜在能力アプローチを手がかりに―」, 『作大論集』6, 381-402.

山尾貴則(藤本一男と共著), 2016, 「中学生・高校生の携帯電話利用に表れたコミュニケーション・ルール(4)」, 『作大論集』6, 353-379.

山尾貴則, 2015, 「若者自立支援活動の活動をいかに評価するか―「若者ミーティング」スタッフへの聞き取りを通して考える―」, 『作大論集』5, 345-367.

山尾貴則(藤本一男と共著), 2015, 「中学生・高校生の携帯電話利用に表れたコミュニケーション・ルール(3)「社会調査及び実習1」2014による調査をもとに」, 『作大論集』5, 385-409.

山尾貴則(藤本一男と共著), 2014, 「中学生・高校生の携帯電話利用に表れたコミュニケーション・ルール(2) ―「社会調査及び実習1」2013による調査をもとに―」, 『作大論集』4, 207-230.

山尾貴則(藤本一男と共著), 2013, 「中学生・高校生の携帯電話利用に表れたコミュニケーション・ルール ―「社会調査及び実習1」2012による調査をもとに―」, 『作大論集』3, 205-220.

山尾貴則(藤本一男と共著), 2012, 「3.11以降、学生たちの生活上の注意事項、情報摂取メディアはどのように変化したか : 「社会調査及び実習-Ⅰ」2011による調査をもとに」, 『作大論集』2, 313-332. 山尾貴則, 2011, 「地域若者サポートステーションにおける若者支援活動の特質ーとちぎ若者サポートステーションスタッフへの聞き取りからー,『作大論集』1, 作新学院大学, 251-267.

 

5.2 翻訳

山尾貴則, 2009(平成21年), 「相対主義」,「暗黙知」,「対話」等,50項目あまり, 『質的研究用語辞典』,北大路書房(Schwandt, T. A., 2007, THE SAGE DICTIONARY OF QUALITATIVE INQUIRY,3rd edition, SAGE.) 山尾貴則, 2006(平成18年), 「第34章 相対主義時代における規準の問題」,『質的調査ハンドブック』, 北大路書房(Smith, J. K. and D. K. Deemer, 2000, "The Problem of Creteria in the Age of Relativism.", Denzin, N. K. and Y. S. Lincoln eds,Handbook of Qualitative Research 2nd edition, SAGE.)(徳川直人と共訳)

 

5.3 外部資金

科学研究助成費(基盤研究(C)) 課題番号26381140 研究代表者 山尾貴則

「若者自立支援活動の場に滞留する若者が抱える問題の解明とその対応へ向けた総合的研究」 平成26-30年度

日本学術振興会科学研究費補助金(基盤研究(C)) 課題番号23531133 研究代表者 山尾貴則

「若者を排除しない地域社会へ―若者支援とまちづくりの融合へ向けた総合的研究」 平成23~25年度

日本学術振興会科学研究費補助金(基盤研究(C)) 課題番号20530781 研究代表者 山尾貴則 「若年無業者問題の複合的構成の解明とオルタナティブな支援観の構築に向けた総合的研究」 平成20~22年度

 

5.5 社会活動

一般社団法人 若年者支援機構 「ちょべり場」プログラム担当(2016年度〜現在に至る)

とちぎの高校生「じぶん未来学」企画委員、プログラム作成委員(2015年度〜現在に至る)

宇都宮市社会教育委員(2013年度〜2015年度)

宇都宮市もったいない運動市民会議委員(普及促進部会) (2011年度~2017年度)

とちぎ若者サポートステーションスタッフ(ちょべり場担当)(2008年度〜2016年度)

現在の研究分野 下記の研究課題と研究経過を参照してください.
研究課題と研究経過

私の研究課題はおおむね以下の順序で推移しています.ただし、次の課題への推移はそれ以前の課題の終了や放棄を意味しません。すべての研究課題が継続中であり、密接に関連し合っています。

 

1.G.H.ミードの社会理論

G.H.ミードの社会理論に関心を持っています。特に、彼の科学方法論を検討しながら、社会学における探求(inquiry)への構えがどのようなものであればいいのか、考えをめぐらしています。また、長年にわたって注目されてきたミードのいわゆるコミュニケーション論をあらためて読み直し、ミードの議論における「個」(individual)の位置づけについて考えてみたいと思っています。

 

2.感情社会学

いわゆる新自由主義的な「雰囲気」の中で、若年世代の感情コントロールやそれに伴う自己アイデンティティの形成にどのような変化が出てきているのかについて、近年大きな注目を集めている感情社会学の諸議論を手がかりにしながら検討しています。

 

3.若年無業者支援をめぐる諸問題

若年無業者はニートという概念でひとくくりに語られがちです。しかし、その内実はかなり多様であることが、若年無業者支援活動の一つにスタッフとして実際に参与することを通して見えてきました。ただし、彼ら/彼女らの多くに共通する経験として、自らの自尊心が傷つけられたという経験があることも分かりました。その結果彼ら/彼女らは自分に対する自信が持てず、社会へと一歩踏み出そうとしても二の足を踏んでしまっています。そうした彼ら/彼女がどのような経緯で自尊心を奪われるに至ったのか、あるいはそれをいかに回復することができるか。このことをA.ホネットの「承認をめぐる闘争」という議論を手がかりに検討しています。
  

4.社会的排除のメカニズム

我々の社会において社会的排除が強められていくメカニズムについて、J。 ヤングの排除型社会論、A. ギデンズのモダニティ論、Z. バウマンの液状化社会論等を理論的な資源としながら考えています.

 

5.若者自立支援活動を適切に評価する視点の検討

社会的排除が強まる社会の中でも、若者たちは社会において有用な存在であろうと一所懸命頑張り、スキルアップに努めます(若者がだらしないという「常識」は、もう過去のものです)。しかし様々な要因により、失敗や挫折を経験し、社会的自立を果たせないことがあります。

先の3.でも書きましたが、そのような若者たちは自尊心を著しく傷つけられています。その傷は、若者自立支援活動の一つである居場所活動(若者たちが集まり、緩やかなつながりの中で時を過ごす活動)において、同じような経験を有する仲間たちに出会い、「ああ、自分と同じ人がいるんだ、みんな大変なんだ、自分も大変なんだ、でもそれでもいいんだな、ここからまた次に進めばいいんだな」などと、自分自身を再び認めることができることを通して癒やされていきます。そして、若者たちは社会へと再び一歩を踏み出す自信と力を得ていきます。しかしそうした支援活動は、就労に資する直接的なスキルを提供するようなものではありません。そのため、「どれだけの利用者が就労したか」という就労実績を唯一の評価基準とするような評価法では、その意味合いを捉えることが困難です。ましてや就労実績が芳しくない場合には、いわゆる選択と集中といった議論の中で「そんな居場所よりもPC講座を充実させるべき」のような判断がなされてしまう恐れがあります。もちろんPC講座などのスキルアッププログラムは大変重要です。しかしそうしたプログラムを通して身につけた力を存分に発揮するためにも、「自分は大丈夫だ」といった、他者からの承認を通して得られる自分自身への信頼、自己自身の承認が必要です。その点を適切に評価するにはどのような考え方が必要なのか。このことについて、A.センの「潜在能力アプローチ」を手がかりにして検討しています。

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ゼミ・講義の紹介

社会的自我論

わたしが担当している「社会的自我論」では、以下のようなことについて講義しています。さらに講義に関連する映像資料を視聴することもあります。

 

1.人間の自我形成過程

社会的自我論では、わたしたち人間がこの社会に生まれ落ちて成長し、他の誰とも違う「わたし」という存在(自我)となっていく過程を、社会学がこれまで蓄積してきた知見を使いながら考えていきます。 わたしたちは決して真空の中に生まれ落ちるのでもなければ、誰にも頼らず自然に「わたし」になるわけではありません。わたしたちは社会の中で、他者とのさまざまなやりとり(相互行為といいます)を通して、「わたし」になっていきます。つまり、「わたし」になるという過程を考えるためには、一人の人間の中身をくまなく分析するだけでは不十分で(もちろんそれは必要な作業ですが)、人と人とのやりとり、すなわちコミュニケーションという現象について、深く考えてみることが大切です。その際、G.H.ミードという社会学者の議論を参考にしていきます.

 

2.「役割」としての人間

わたしたちは、他者とのかかわりにおいて他の誰とも異なる「わたし」となりますが、それと同時に、なんらかの「役割」を有した存在にもなります。わたしたちはそうした「役割」を適切に遂行することを通して、一人前の人間であることを自己と他者に示していくことになりますが、時に適切に役割を遂行できなくなったり、複数の役割をうまくマネジメントすることができなくなったりします。そのときわたしたちは、「いかなるわたしであるべきか」という苦悩を抱え込むことがあります。こうしたトラブルについて、アメリカの社会学者E.ゴッフマンの議論を参考にしながら考えていきます。

 

3.「承認」の社会学

わたしたちにとって、他者から認められるという経験はとても大切です。わたしたちは他者から認められてはじめて、自分自身を認めることができます。こうした「承認」の重要性について、A.ホネットという哲学者の議論を手がかりにして考えていきます。また、「承認」が得られない場合にどのような困難が生じるのか、その困難をいかに克服していけるかということについて、教員自らが参加している若者の自立支援活動での経験を紹介しながらお話しします。 本学部に入学してくる皆さんの多くは「心理学を学ぶ」こと、「小学校の教員になること」を希望していますが(ちなみに社会学を学ぶ希望をもって入学する方はほぼゼロです(笑))、この講義を通して、少しでも社会学、あるいは社会学的な自我論に興味をもってもらえれば幸いです。